QNAP TS-351の消費電力を計測する話

最近電源すら上げていないご無沙汰のQNAP TS-351ですが…
今回は久しぶりに動かしてみました。

というのも、QNAP TS-351は3台のHDDで構成されているので消費電力が気になっていたわけです。
でも結局どれだけ消費電力がかかるの?
このHDDをSSDにしたら消費電力って下げられるよね。
それだったらどうなんだろう?

そう思いまして測定をしてついでに消費電力を抑えられるならSSD構成のNASを使おうかななどを目論んでおりました。

結果

いつもどおり結果を先に書きます。

1.フルスペック2.キャッシュなし3.SSD4.裸
使用電力 [watt]24.022.09.57.0
読み取り速度 [MBps]82.689.693.6
書き込み速度 [MBps]110.4110.6110.2

消費電力ははやり下がります。

読み書き速度は変わりませんのでご安心ください

と、なぜ読み書き速度が変わらないのか!?

はい、ネットワークの転送帯域以上になったら速度は頭打ちと言うことです。
HDDのRAID状態でネットワークの転送速度以上が発生していることがわかります。

ま、頭打ちってのは今回のネットワーク構成では1Gbpsで組んでいます。
ネットワークの転送速度 bpsはbit par secondです。
ディスクの読み取り速度はBpsです。Byte par secondですね。
bitとByteなのでbps x 8 = Bpsです。
1GbpsのBpsは最大125,000,000Bpsです。
Byteの場合、Kとかは1000ではなく1024なので…
1Gbps => 119.2MBps程度です。
論理値が119.2MBpsなので、実測値を考えると…
これでいいのですw

現状を確認する

はじめに現在の状態を確認します。

とりあえず検証に使ったQNAP TS-351は…

16GB memory , HDD x 3 , NVMe x 2のフルスペックです。

各ディスクの読み取り速度を測定結果は以下です


順次読み取りIOPS 読み取り結果
WDS500G2X0C-00L350399.29 MB/sec28147
WDS500G1B0C-00S6U0400.11 MB/sec13833
WD40EZRZ-22GXCB0163.31 MB/sec226
WD40EZRZ-22GXCB0156.40 MB/sec127
WD40EZRZ-22GXCB0161.16 MB/sec108

新しいSSD構成

はい、SSD構成のQNAPの構成は以下のとおりです

各ディスク構成と読み取り速度は以下です


順次読み取りIOPS 読み取り結果
WDS500G2B0B-00YS70349.95 MB/sec45439
WDS500G2B0B304.99 MB/sec42479
KIOXIA-EXCERIA468.46 MB/sec50837

はい、早いですね。
ついでにKIOXIAドライブ情報取れないのですねw SATA SSDだったw

測定ポイントと測定方法

測定ポイント

今回の測定ポイントは、
– 1.フルスペック状態
– 2.キャッシュ用のSSDを外した状態
– 3.HDDを全てSSDに交換した状態
– 4.比較用に全てのドライブを外した状態
としております。

測定方法

測定方法は消費電力はSanwaのワットチェッカーを使ってます

測定ポイントは起動時とアイドル状態で計測はしましたが基本アイドルを採用しています

速度測定

速度測定はシンプルです。
有線LANで接続したmacbookにてドライブをafpでマウント、そのディレクトリに対して速度測定をします

macosでの速度測定ツールは「Blackmagic Disk Speed Test」を使いました。
Ver 3.4.2

参考 : https://yama-mac.com/mac_nas_smb_speedup/

速度測定ツールでは測定を永遠に続けてくれるので
Writeが終わってRead処理にフェーズが移ったらWriteをメモする
Readが終わってWrite処理にフェーズが移ったらReadをメモする
を繰り返しました。
最初終了まで待っていましたが終わりませんでしたw

速度測定時の注意点はFinderで共有ディレクトリを開いていると速度が落ちます
多分 ファイル情報の容量とかをリアルタイムで表示されます。それが影響していると考えています。
必ず計測時にはFinderを閉じておきましょう

転送速度の採用

速度測定を行うとさまざまな速度がまとまりますので10回ほど測定したら良い感じっぽいところを採用しています

測定結果

プレーンなMacOSの速度測定

MacOSの速度測定の手順と大体の転送性能を計測します。

Write 1784.3 MBps
Read 1934.7 MBps

ま、ネットワーク速度以上なことを確認するだけです

測定ベースの測定

はじめに機材とその環境を測定します

ワットチェッカーは部屋の出入り口に測定ポイントがありますのでQNAPのない状態を測定をしてから作業を行います。

6.0Watでした…

1.フルスペックの測定

フルスペック状態の速度測定をします。

Write 82.6 MBps
Read 110.4 MBps

だいたいこの辺りを採用しました。

消費電力は測定値 30.0Wat
先の6Watを加味して24.0Watが必要な消費電力とします

2.キャッシュSSDを抜いた測定 

次にフルスペック状態からキャッシュ用SSD(NvMe)を2枚抜いた状態の測定を行います。

Write 89.6 MBps
Read 110.6 MBps

え!?キャッシュ抜いたのに速度が上がるってどうゆうこと!?とか思われたらキャッシュなので初見のファイルでは時間がかかるのはしょうがないということです。その辺りは… 無視!

消費電力は測定値 28.0Wat => 22.0Wat

3.SSD構成の測定

最後にHDDをSSDに変更した構成での測定を行います

Write 93.6 MBps
Read 110.2 MBps

消費電力 15.5Wat => 9.5Wat

おまけでディスクを抜去した消費電力

機器の入れ替え時に気になったのでドライブがない状態でのQNAPの消費電力をおまけで計測しました

13.0Wat => 7.0Wat

そんなものですね

終いに

今回は、NASにてSSD構成にしたら消費電力ってどれだけ削減できるのかな?ということで調査しました。結果はこんな感じでした。

1.フルスペック2.キャッシュなし3.SSD4.裸
使用電力 [watt]24.022.09.57

測定結果を考えると
HDDは3台で17.0Wat なので1台あたり5.7Wat程度
NvMeは2台で2.0Wat なので1台あたり1.0Wat
SSDは3台で2.5Watなので1台あたり0.8Wat程度

カタログスペックとの差を調べてもいいけれども紙面が長くなりそうなので省きます。

ディスクアクセス速度は変わりはありませんでしたが、QNAP内部での速度は爆速です
アプリインストールも即終わりますしVMのディクスアクセスも早いです。
結構これは使えます

ちなみにSSDってM2のSSDでは!?とお思いでしょうが、それは正しいですM2のSSDを以下の様に詰め込んでいます

M2 SSDを裸族のインナー x 2に入れて変換しています。

なぜこんなめんどくさいことをしているかと言うと!

M2 SSDが余っていたからです。

QNAPのキャッシュ用がNvMe SSDだったのですが、間違ってM2 SSDを購入して泣いていた結論在庫にあったわけです。
それを有効活用しようとこうなりました。

次回はどうしようかな、電力測定が面白いのでRaspberry piでも測定しようかなw